四十肩・五十肩の針治療について詳しく解説

四十肩五十肩鍼治療

年齢とともによく耳にする機会が増える四十肩・五十肩ですが、これは40歳代・50歳代に比較的多く見られる症状の為、この名前がついています。

実は、肩の痛みは様々な種類があり、本当の四十肩・五十肩の症状に似ている症状として肩関節周囲炎、回旋腱板断裂、損傷、石灰沈着肩などがあります。

四十肩・五十肩の治療では、症状に応じて検査をして本当に五十肩なのか、それとも他の症状なのかをはっきりさせ治療を行うことが重要になります。

本当の四十肩・五十肩の症状

多くの原因は、手を頭より上にあげることが少なかったり、腕を大きく使うことが少なくなり、筋肉量が落ち固くなることにより筋肉、関節の可動性低下、関節不安定、誤動作などささいな動きや過去のケガなどが引き金になることで、筋肉・筋膜・間節包の炎症となり痛みが出現します。

これがいわゆる四十肩・五十肩というものです。

一般的に治るまで半年から一年と言われることが多いようですが、当院で鍼灸治療を受けると2~3倍のスピードでよくなる場合もあります。

四十肩・五十肩のおもな症状がたどる3つの過程

  • 炎症期(えんしょうき)とても痛い
  • 拘縮期(こうしゅくき)固まって動かない
  • 回復期(かいふくき)だんだん動くようになる

炎症期

炎症期は関節内、関節の周囲で炎症が起きており、じっとしている状態や少しの動作、体勢の変化などで痛みがあります。

この時期はいかに早く炎症を引かせるかが大切になり、患部で炎症が起きているため患部への鍼灸治療は最低限に抑え、それ以外の体の部位、頚部、肩甲骨、背部、肘、前腕などのツボ、反応点を中心に鍼をして血流を良くし炎症物質など吸収促進を高めます。

鍼灸治療には誘導作用消炎作用という治療的作用があり、鍼をすることで微細な傷をつくり、患部の血管を拡張させ血液を集めます、そして傷を治す作用として白血球を増加させ血流改善により病的産出物の吸収を促進させます。

五十肩の場合、患部の炎症を散らす為、患部以外の首背中、腕などに施術することで周りに血液を集め患部の炎症を散らす方法があります。

鍼灸以外で炎症を散らす方法はあまり見当たらず、鍼灸治療の強みとも言えます。

拘縮期

拘縮期は炎症がおさまり関節に運動制限が出現し、強い拘縮と強い疼痛が共存する時期になります。

筋肉が固まり腕が挙がらない、夜間痛、動作中の強い瞬時痛、動作後の強い残存痛を訴えられることが多いです。

拘縮期は腕が挙がらないなど、拘縮の50パーセントは疼痛の防御反応よるもので鍼灸治療では患部への治療がメインになり疼痛を訴える筋肉、拘縮の筋肉に鍼をし疼痛、拘縮改善を図ります。

拘縮期では関節運動に伴う疼痛で症状が悪化する場合がある為、関節を動かすのは最低限に限ります、動かして悪化する方が多いですので我慢です。

鍼灸治療による鎮痛作用では内因性モルヒネ様物質または下行性抑制、軸索反射などの機序により鎮痛作用が発現します。

簡単に説明すると痛みの部位に鍼を刺すと、神経に電気刺激が流れ脊髄に入りその刺激は脳に行きドーパミン、セロトニンなどのホルモンが放出し脳から局所に鎮静を発現させると考えられています。

軸索反射は筋肉内の血流が改善することにより疼痛は解消すると考えられ、鍼をすると神経の端である神経終末とゆうところが刺激され、筋肉内のアセチルコリンという物質を増し、筋血管を拡張し血流が改善し発痛物質が排除され痛みが解消すると考えられています。

回復期

疼痛、拘縮がわずかになり徐々に関節運動が増え正常可動域に戻っていく時期になります。

関節可動域制限は残っていますが、関節を大きく動かす以外の日常生活動作には支障がなくなってきます。

筋腱の緊張や繊維化が制限の原因にもなり、刺鍼をすることで血流を良くし組織の再生を促し筋腱か緩み可動域が正常に回復していきます。

鍼治療の流れ

まず肩の痛みを伺い、五十肩なのかそれとも関節周囲炎、腱板断裂・損傷、石灰沈着肩なのか整形外科検査を行い判断します。

炎症期の治療

いわゆる初期症状で関節内に炎症が起き、腫れ、ズキズキ痛むような状態で、安静時痛と夜間に疼くような肩の痛みで目が覚めたりします。

患部の痛みは肩の前後や鎖骨の下、肩甲骨あたりに出でいることが多く、直接患部に鍼をする際は浅く、最小限のツボにうちます、そしてツボには経絡という線路のような繋がりがあり特に肺経、大腸経、三焦経の患部から離れたツボをつかい遠隔的に治療をし、頸部や背中にも鍼をうち患部の炎症を散らしていきます。

拘縮期の治療

炎症期がおさまり、炎症期の間痛みが強く関節運動が減ることにより筋肉が固まり拘縮期に変化していきます。

特に少し動かした際などにおこる瞬時痛、動作後の残存痛、痛みで寝る体制が定まらず横になっている時の痛み、朝から午前中にかけての安静時痛、寝付いてからの朝方の夜間痛がよくある症状です。

治療は上記に記載した患部を中心に行い、五十肩のかたに多く反応が出てくる経絡の肝経、腎経、肺経、大腸経を中心に背中、手足にツボに鍼をし全体を整え、肩から肘などに出てくる疼痛、肩を庇い頸や後頭部、腰など姿勢不良での不調、夜間痛による睡眠不足を改善するために治療していきます。

就寝時の体勢は仰向けでの就寝は難しく肩の下にクッションを挟んだり、患部をうえにし布団やクッションを抱いて横向きで就寝してもらうことが多く、夜間痛は朝方の体温低下、外気温低下による冷えからきていますので冷やさないように気を付けいいただいています。

痛みで目が覚め睡眠不足で気分が落ち込むことがある為、この時期の治療はいかに睡眠の質を良くするかが早期回復にもつながります。

回復期の治療

疼痛がわずかになり、大きく腕を上げる、髪の毛をくくる、腰を触るなどの可動域制限が残存しますが、関節の動かせる範囲が広がってくる時期になります。

肩関節筋付着部や手首、肘、肩甲骨周囲に筋緊張や反応点、筋膜同士の癒着や伸張しない筋肉が関節可動域に影響を与えており、それらの緊張が取れると可動域が改善していきます。

上記の筋緊張や反応点に刺鍼し電気を流し、筋肉を他動的に動かし筋ポンプ作用で筋血流量を増やし可動域を正常化していきます。

積極的、ご自身で関節運動を取り入れることでより早い改善につながります。

鍼治療後の経過観察

治療後の効果は直後効果事後効果があり、炎症期では治療後の夜や次の日の朝に疼きが楽、夜間睡眠がとれたなど実感して頂けます。

この時期は少しの動作などで炎症がぶり返し、一進一退を繰り返すことがあり慎重に経過観察していく必要があります。

拘縮期、回復期では就寝の体勢、冷えでの夜間痛、患部以外の部位にコリ感じやすく、治療後は少しづつ疼痛か改善してきているのが感じ取れ、徐々に動かせる範囲が増え回復していきます。

そして患部の治療も行いながら関連する不調も治療し経過観察していきます。

就寝の体勢、着衣動作、日常生活動作、睡眠の質を来院の際にお聞きし、生活しやすいように治療・アドバイスさせて頂いています。

五十肩の自己診断・セルフチェック

こんな症状が出たら五十肩を疑いましょう

  • 安静時での肩関節にだるさがある
  • ある日突然肩に痛みが走った
  • 服を着る時肩に痛みが走った
  • 肩こりとは違った肩の痛みがある
  • 日常生活で手を使った時に肩関節に違和感がある
  • 朝起きた時に肩関節に違和感がある
  • 肩関節の動かせる範囲が狭く感じるようになった

五十肩はささいな事から発症することがあり、寝たら治るだろうと過信しすぎないことが大切です。

五十肩での鍼治療を受ける目安

上記に記載した症状を感じたら早めに治療を開始することをおすすめします。

五十肩は炎症期になるまでちょっとした違和感からはじまります、その違和感を放置するとひどい痛みにかわり、治るまで時間がかかってしまう結果となります。

たまに耳にする治るまで1年かかったなどの話もありますが、適切な時期に鍼灸治療開始をすることにより2~3倍のスピードで回復することも可能です。

逸見鍼灸 大阪 院長

角張 貴規

筆者

鍼灸治療は色々治療したが治らず最後の選択肢として来院される方が多く、私は第一選択で鍼灸治療を選択してもらえるよう普及活動を行なっています。日常生活での不調治療を得意とし自律神経や不定愁訴などさまざまな症状に鍼灸治療は適応し、さまざまな方を治療しています。

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