自律神経失調症における鍼灸治療

自律神経失調症の原因

精神的ストレスや乱れたライフスタイルなどで自律神経が乱れていきます。

自律神経は交感神経と副交感神経からなり、お互いが拮抗しあって内臓の機能などをコントロールします。交感神経と副交感神経のバランスが崩れると身体の機能がうまくコントロールできずに精神と肉体がパニック状態になることを自律神経失調症とされます。

現代人のほとんどが自律神経の乱れがあり、そこから様々な病気へと発展していきます。対人関係の社会的ストレス、日々の肉体的ストレス、空気汚染や農薬などの環境的ストレスが主な原因になります。 

自律神経失調症の症状

自律神経は身体の様々な機能をコントロールしていて、人によって症状の出る部位が違いますが、自覚症状のない部分も他覚的に見ると悪くなっているところはよくあります。

主な症状は睡眠障害、精神の異常、頭痛、めまい、吐き気、肩凝りや腰痛、立ちくらみなど、他にも自律神経が乱れることによってホルモンバランスが乱れるため更年期障害にもなります。更年期障害のほとんどは自律神経失調症と言えます。 

自律神経失調症の鍼灸治療

大切なのは睡眠の質を上げることです。睡眠は精神的にも肉体的にも癒す効果があり、更にストレスにも強くなります。ネガティブな思考に陥りやすいのも睡眠の質が悪いということです。

このようなネガティブな思考になりやすいのも自律神経の乱れからきます。

鍼灸治療では自律神経を整えるのに適しています。特に背部兪穴(はいぶゆけつ)と言われる背骨沿いにあるツボは内臓と直接リンクするツボとされています。

生理学的には交感神経が背骨沿いにあるため、背部兪穴は交感神経の調整に適しています。特にストレスにより交感神経は興奮しやすくなるため、背部兪穴を利用し交感神経の興奮を抑えることができます。

更に手足にあるツボも使いますが手足にあるツボは副交感神経を調節できます。手足のツボは脳幹という部分に反射し、脳幹から内臓へと反射していきます。

このように自律神経の調整は内臓に影響し、内臓が整ってきます。内臓からは様々なホルモンが分泌されるため内臓の機能が自律神経失調症と密接に関係してきます。 

自律神経失調症の治療期間

基本的に1回の治療で夜は眠りやすくなります。眠れると次第に精神的にも肉体的にも元気になってきます。

週1回を1カ月ほど続けて治療をしていくと眠れる癖ができていくので体内のリズムが整い自律神経は安定してきます。ライフスタイルが乱れている方は定期的に治療することをお勧めします。 

自律神経失調症の鍼灸レポート

女性 45歳 病院勤務 自律神経失調症による更年期障害

病院では更年期障害と言われたとのことで来られました。症状はイライラや少し鬱気味の精神異常と頭が暑く足が冷えるなどの冷えのぼせ、酷い肩凝り、時々めまい、汗が出るなどでした。
東洋医学的診断では心腎不交証と言われ、心の火と腎の水が交じり合っていないため頭に血が上り、足腰は冷えているという状態です。このような状態は基本的に頭部の症状が出やすくなります。
イライラなどの精神的な異常ものぼせと関連してきます。表面は暑く汗が出るのも、関連します。基本的に冷えのぼせの治療になります。肩周りの凝りをしっかりとるため僧帽筋に鍼をし、20分間置いておきます。
そして腎の治療は腰部に鍼とお灸をし、腰が暖かくなるまで鍼を刺したまま、お灸をいくつも繰り返ししていきます。腰が暖かくなるとお腹の芯まで温まり、のぼせは引いてきます。1回の治療で精神的にもリラックスできよく眠れてスッキリされていました。しかしかなり酷い肩凝りだったので、3回ほどしっかりと時間をかけ鍼灸治療し、筋肉の緊張を根こそぎ取りました。それからは肩は凝ることもなく、快適に毎日を過ごせているようでした。

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