頭痛における鍼灸治療

頭痛の原因

頭痛は気圧の変化や筋肉の緊張で起こることが多いです。気圧の変化では低気圧の時に頭痛を発症する時が多く、気圧が低くなると体内圧が膨張し、自律神経に影響を与えることでリンパや血液の循環が悪くなり、発痛物質が流れずに神経を刺激して痛みとして現れます。

頭部や首の筋肉の緊張も同じで、筋肉の緊張から循環が悪くなり発痛物質による神経刺激が原因になります。 

  • 頭痛の発症部位は大きく分けて前頭部、側頭部、後頭部です。 
  • 前頭部では前頭筋の緊張によって眼窩上動脈の循環不足により起こりやすいです。
  • 側頭部では側頭筋の緊張で浅側頭動脈の循環不足で起こりやすいです。 
  • 後頭部では後頚部の緊張や後頭筋の緊張で循環不足を起こし痛みが出やすいです。

東洋医学的な考え方では脾肝腎と関係性が深いです。 

脾は消化器系を指し、脾が弱っている人は頭部に栄養を行き渡らせることができずに頭痛を起こします。同時に疲れやすく、食欲不振などの症状も起き、特に疲れた時に頭痛を起こします。 

肝ではイライラなどのストレスで逆上せた状態になり、頭部に血液がうっ滞した状態で頭痛が起こります。顔面が赤く火照ったり、目が充血するなどの症状も出てきます。 

腎による頭痛は眩暈(めまい)と同時に発症しやすく、足や腰の痛みやだるさなども起こりやすいです。 

頭痛の症状

締め付けられるような痛みや、頭が重い感じ、肩凝り、吐き気、目がチカチカするなどの症状が現れます。 

頭痛の鍼灸治療

頭部や首周りの痛みを発症させている部位(ツボ)をベースに鍼灸治療を行い血液やリンパの流れを改善します。 

痛みを発症している筋肉の治療以外に全身の経絡の流れを整えることで患部の緊張を更に和らげることができます。

経絡を整えることで自律神経は整い、頭痛と同時に発症する痛みや疲れなどの症状も改善します。 

頭痛の治療期間

頭痛は基本筋肉の緊張が緩和することでほとんどの場合では1回~2回くらいで改善します。それに併発する食欲不振や倦怠感なども同時に改善されていきます。 

頭痛の鍼灸レポート

女性 58歳 主婦 左側頭部の頭痛

パソコンを見る機会が多く寝不足が続くと気分が悪くなるくらいの頭痛に悩まされていました。同時に疲れやすく、朝活動すると昼からは動けないほどの疲労感で一日ぐったりとしてしまうとのことでした。頭痛が出ると食欲も減退し体力も低下していました。

この方は目の使い過ぎによる頭痛で、目は肝と関連が深く肝の経絡が乱れて、更にそのストレスから脾に影響を与え食欲が落ちていました。

手足にあるツボに鍼をし、全身のリラックスを行います。そして目の疲れを改善するために首にある風池とゆうツボを軽く鍼の響きが出るくらい刺激し、この時点でほとんど頭痛は改善しました。食いしばりもあったせいか顎の歪みもあり、顎が歪むと側頭筋の筋バランスが崩れるので片頭痛の原因にもなります。顎の歪みを改善するために顎の筋肉にも鍼をしました。ほぼ一回で頭痛は改善し、治療した日からは睡眠の質も良くなり、精神的にも肉体的にも緊張しにくく、再発は無いとのことです。一か月に一回疲れを癒すためにも全身の治療をしています。頭痛以外にも身体の調子がとてもいいとのことです。

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