下痢における鍼灸治療
下痢の原因
下痢の原因は多くあり、過度の飲食、油っこいもの、なま物、冷たい物の摂りすぎなどの飲食による下痢や精神的緊張などがあります。他にも虚弱な体質による胃腸の機能低下や冷えがあると下痢をしやすいです。
東洋医学的に寒、湿、熱などが関連し特に湿は脾(胃腸)に影響しやすく、下痢を起こしやすくなります。湿はしめったイメージで梅雨などが分かりやすいイメージです。
精神的緊張は肝に影響し、肝が脾(胃腸)を犯すと下痢になります。現代的に胃腸が弱い人ほど精神的ストレスを感じやすく、セロトニンなどのホルモン分泌低下によるものです。セロトニンは腸などで作られ、胃腸が虚弱な人はセロトニンの分泌が減り精神的な下痢を起こしやすくなります。
下痢の症状
冷え体質な人では夜明けごろに腹痛で目が覚め下痢をします。腰痛や手足の冷えもあります。
お酒や辛い物を食べすぎると湿と熱が腸にこもった場合は急な下痢を起こし、排便はスッキリとしません。この場合、便の臭いが強くなります。
虚弱体質な人は疲れが溜まった時やストレスを感じた時に下痢を起こします。食欲の低下なども起こります。
下痢の鍼灸治療
まず食生活の乱れがある場合はバランスのいい食生活を心がけます。軽い運動もセロトニンを増やすのに良く腸の調子だけではなく気分も良くなります。
鍼灸治療では寒、湿から下痢を起こすものでは、腹部や腰や足にある胃腸のツボを使い、鍼とお灸をし、温めながら胃腸の機能を改善していきます。
虚弱体質でも同じように胃腸の機能を高めるように鍼灸治療をしていきます。鍼灸治療だけでも十分強くなりますが、運動も同時にしていくと体質は大きく良くなります。
ストレスなど精神的緊張から下痢を起こす場合も基本的に胃腸の機能を高めるように鍼灸治療をし、更に肝の影響があるので肝のツボも利用します。この場合も運動をすることでセロトニンを増やすことができ、ストレス緩和にもつながり下痢を起こしにくくなります。西洋医学では過敏性腸症候群と言われるものにあたります。
下痢の治療期間
一回二回の治療で改善と考えるより少しずつ体質を改善するイメージで半年くらいの期間を目安にするといいです。
一か月くらいの治療でも改善はしますが、体質から変わるには半年くらいは治療を続けるといいです。体質が変われば身体は大きく変化します。
下痢の鍼灸レポート
女性 42歳 会社員 潰瘍性大腸炎による下痢
潰瘍性大腸炎で大学病院にて色々な薬を試していたところで手術も考えていたところで最後の手段で鍼灸治療を受けに来られました。
潰瘍性大腸炎自体は鍼灸治療で改善すると断言できませんが、下痢などの症状には適応します。
2週間に一回くらいの治療で3か月くらいの治療で下痢症状は無くなり身体の調子も良いとのことで今のところ手術にまでは至っていません。
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