不眠における鍼灸治療

不眠の原因

思考と身体の緊張がほとんどで、特に精神的ストレスが多く見られます。ショックな出来事があるとそのストレスから身を守ろうとして副腎皮質からコルチゾールというホルモンが分泌されストレスから回避しようと身体は反応します。

人間はストレスを感じながら成長し、次第に小さいストレスならショックにまでならなくなります。その度合いを超えると不眠に陥ります。他にも筋肉の緊張が強いと交感神経が興奮しリラックスできなく眠れなくなります。 

これらは東洋医学的に肝の問題が大きく、肝は精神にも関与し、筋肉の緊張にも関与してきます。睡眠時に肝は血液を集める働きをしますが、血液を集められず、脳や筋肉にある状態だとそれぞれは興奮し覚醒した状態になります。過度なアルコールの摂取は眠りが浅くなるのもこのことから理解できます。脳に血液が集まると思考が働き、筋肉に血液が集まると筋肉は活動しようとしてリラックスできません。 

不眠の症状

基本的に夜に眠れないことが不眠症です。昼間にボーっとするなどの症状もあり、倦怠感もあります。寝ても夢をよく見ることや何度も目が覚めてしまいます。目が覚めると再び寝入るのが困難で覚醒してしまいます。 

不眠の鍼灸治療

睡眠薬を使って寝る方が多いですが、睡眠薬を使うと自分の力で寝ることができなくなるので、更に悪化し薬をやめにくくなります。人間本来の身体の機能で眠れるように治療していきます。

まず考えかたとして、眠れないことに不安にならないことです。眠れなかったら寝ないで好きなように時間を過ごすといいでしょう。精神的不安もなくなるので、それで不眠症が改善する方も多いです。

他には運動を心がけてください。単純に身体が疲れていなかったら眠りにくい場合もあります。時々昼寝をして夜眠れない方もいるので昼間しっかりと活動してみましょう。朝日を浴びることも睡眠ホルモンを作るのに大切です。少ししんどいのを我慢してリズムを整えてみてください。 

鍼灸治療では精神的な緊張や筋肉の緊張などを和らげる効果があり、眠りにつきやすく深い眠りができてきます。肝の影響は大きく、肝の経絡を整えるように治療していきます。更に適度な筋トレをすることも肝に良く、朝から夕方までに筋トレをすることも必要であればしていきます。 

不眠の治療期間

1回の治療でその日は良く眠れることが多いです。しかしこれで安心はできないので、基本的には長期的に治療はしていくことをお勧めします。

治療とセルフケアをすることで改善は早くなります。セルフケアはリズムのいい生活スタイルです。早い改善であれば2回から3回の治療で大丈夫です。 

不眠の鍼灸レポート

女性 73歳 主婦 不眠症

不眠症で悩まされていて治療に来られました。長年不眠症で薬も長年服用しているとのことでした。精神的にも落ち込んでいる状態でやる気も起きにくいとのことです。運動しないといけないと思いつつも不眠で身体と心がついていかないという重症な方でした。
1回目の治療で治療した日はよく眠れたとのことでした。こんなに眠れたのは久しぶりだったみたいで、続けて治療を続けました。やはり肝の影響が強くあり、肝の症状の特徴でもある痺れなどもありました。5回目くらいの治療から薬の量を減らしてみるとのことで減らしてみたところ、夜中に意識もなくカレーライスを作っていたと恐ろしい出来事があったようです。作った覚えもなく無意識の状態でカレーライスを作っていました。薬の副作用かわかりませんが、主治医からは薬を飲まなかったからと説明を受けていました。それから治療を続け少しずつ治療しない日も眠れるようになってきましたが、薬をやめる恐怖があり、飲み続けているとのことです。しかし眠ることができているので経過を見ながら治療は続けています。

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